今さら卒業式の話
もう新学期が始まろうかという頃だが、卒業ソングを聞いていたら自分の卒業する時のことを思い出した。
小学校の卒業式は寂しいなんて気持ちはほとんどなかった。
ほとんどが同じ中学に進学するため、メンバーがあまり変わらないからだ。
”卒業する”ということもまだピンときていなかったかもしれない。
中学校の卒業は小学校とは変わり、進路で友達と高校が別々になるので「あぁ、楽しい時がこのままが続くんじゃないんだなぁ」というのは感じた。
名残惜しくて、校庭でずっとわちゃわちゃしていたような気がする。
高校はさすがに寂しかった。
進学する人と、商業科もあったので就職する人もいて、いよいよ人生が分かれていくんだなぁという気持ちになった。
あと、高校の時は仲良くしてもらった先輩に名札をもらうのが習わしになっていて、私も先輩からもらったけど、後輩にもくださいと言われてあげた。
その後は短大へ進学したが、ここの記憶は薄い。
思えば、ここから私の人生の選択は間違えていたと思う。
でもこの先はもう就職しか待っていないので、これでいよいよ自由が終わるんだなぁという気持ちになったと思う。
今年はこんな事態になって、卒業式ができなかった人もいることだろう。
大事な人生の節目を刻むことができなかった人もいて、それだけ今回のことが歴史に残る大ごとだという記録にもなることだろう。
卒業というのは、別れが伴って寂しい。
友達と別れる、楽しかった時が終わる、別の道を行く。
淋しいけど、次へ行かなければ新しい出会いもないし、新しい道も開けない。
何気に淡々とこなしてきたけど、そうやって別れと出会いを繰り返して私も今がある。
もっと何年も経った時に「あの時は大変だったね~、卒業式もできなくてさ」と笑って話せるようになるといいですね。