人から見られるということ
接客業をしている友達がいる。
行動力があっていつも羨ましいなぁと思っている。
以前会った時にその子から「お客さんからクレームを受けてしまった」ということを聞いた。
何事かと思ったら、髪型のことでアンケートに書かれてしまったということだった。
よく髪型が変わる人なので今の髪形はよく覚えていないのだが、確か今はそこそこ長くてパーマはかけていないと思う。
その日は髪をおろしていたそうなのだが、「見た目が不潔。髪はまとめてほしい」という意見だったそうだ。
飲食業というわけでもないので、会社の規定で髪をまとめるということは決まってはいないはずだ。
友達は話しながらまた頭にきたようで、ひどく憤慨していた。
一緒にいた別の友達も共感して「それはひどいね」と返していた。
私もふんふんと聞いていたのだが、ふとその友達の髪を見てみた。
カラーリングもしているのだろうけど、決してサラサラではない。どちらかと言えばパサパサした質感。
パサパサしていると、髪が落ち着かなくて広がってしまう。
そうなると、お客さんにお辞儀したり色々動いたりしていると結構バサバサとした見た目になるかもしれない。
髪がサラサラして綺麗な人はおろしていても見ていて気持ちがいいだろうが、ぶわっと広がった髪だったら……お客さんの前に出るんだったらまとめた方がいいかもしれないなーと思ってしまった。(もちろんその場ではそんなこと言えないけど)
私は元々の髪質がサラッとしていないし、この年齢になりますますパサつき感が増してきたので髪をおろして出かけることがほとんどない。
憧れてはいるけど、風にさらさらとなびく髪ではないのを分かっているからだ。
接客業は気を遣う仕事だと思う。
それでなくてもお客というのは言いたいことを言ってくるだろうに、身なりのことまで注意されてしまうとは。
言葉遣いや所作など、多々気を遣うところがあるだろうが、それと同じくらい見た目も気をつけなくてはならない。
でもそれも含めての接客業なんだろうと思う。
常に見られている側であるということ。
人前に出るというのはそういうことなんだろう。