味気ないやりとり
最近はあまりやらなかったのだが、以前は結構利用していた。
それがオークションだ。
売る側でもよく使ったし、買う方でも結構利用してきた。
今は自分の売るものがないのですっかりご無沙汰していたのだが、お正月に時間を持て余していた時ふとオークションをのぞいたら、面白くていくつか落札してしまった。
お正月はなかなかのムダ遣いをしてしまった。
誰も狙いをつけていないものをあっさり落札できるのも嬉しいが、誰かと競り合って勝ち取った時の気持ちはちょっとギャンブル的な高揚感がある。
だから今思えば本当にほしかったのかしら…というブランドのバッグとかを競り落としてしまった。
(念を押すけど無職です)
本題はここから。
落札すると、出品者とのやりとりが始まる。
以前はテンプレとかもなくて、自分で文章を打たなくてはならなくて、メールを送るように「初めまして・・・」という文章を自分で全部打って送らなくてはならなかった。
そして相手から「送料を入れていくらです」という連絡が来て、支払いをして、品物が届くという流れ。
でも今はすごく便利になって、相手と喋る必要がないのだ。
(文章のやりとりがいらない)
実に効率的に、事務的に、淡々と進む。
1つの工程を済まさないと次の工程のボタンが押せないようになっている。
以前はそんなのはなかったから、連絡が来る前にお金を払ってしまったとか、そういううっかりがあったけど、今はそういう間違いが起きない。
でもなんか人の気配がないというか、一般の人から買った、という感覚があまりしない。
楽になったし、実用的で絶対今のシステムの方がいいけど、なんかなぁ…。
「私が出品したものを買ってくれてありがとうーー!」という気持ちが全く伝わってこない。
落札して支払って、ポストにポンっと物が届いて、終わり。
以前はお礼の手紙を添えてくれる人が多かったけど、最近は「ありがとう」の一言もない。
無機質すぎて、ただネットで買い物しているだけみたい。
私は今出品しても「このたびはありがとう…」という一言を手紙に書いて添えるだろう。
10年前と比べると、スマホが登場したり色々便利になったけど、失ったものも大きいような気がする。
私が老人になった時、私の話し相手はロボットのような気がする。
失ってほしくないものもあるんだけどな。
人が苦手でも、人の温かさはほしいのだ。