口が止まる味
世界一まずいお菓子、というものをご存じだろうか。
先日そんな話を聞いて、どんなだろうと気になった。
「まずい」と聞いても、それが本当かどうか試したくなるのが私の性格だ。
何でも自分が経験しないと気が済まない。
感じ方は人によって様々だから、案外私は好きな味かもしれないし。
それは「リコリス」という真っ黒いグミのようなお菓子。
フィンランド(他ヨーロッパ)では子供から老人まで喜んで食べるお菓子なのだそうだ。
↓こんなの
まず見た目がちょっと…黒々としていてためらうけど、
私も1ついただいてみた。
・・・・・。
・・・・・?
・・・・・?? (・_・?)
気持ちを文章にするならこのようにしかならない。
なんだかよく分からないのだ。
「甘い? しょっぱい?」
と聞かれるが、そのどちらでもないような、どちらかであるような…。
——で、食べ進めていくと、
・・・・・!? (・・。)ン?
・・・・・!!?? ( ,,`・ ・´)ンンン?
・・・・・!!!Σ(@д@;)ウ・・
まっっずーーーーーーいっ!!!!!
いやぁ、久しぶりに本気で「まずい」というものを食べた。
吐きそうだった。
でも他の人は「食べられないことないね」と言いながら2つ目まで食べていたので、
必死で吐き出しそうなのをこらえて、
辛い表情をするのも悪いので、
ひたすら“無表情”で食べた。
これがこの時、私にできる最大の気遣いだった。
私が食べた方は特にマズイ方だったらしく(車の形のです)、
「こっちのはまだ大丈夫だよ」とレンコンみたいな形の方も勧められたが、
断れない性格の私も、これはさすがに食べられなかった。
手が出なかった。
罰ゲームか、牢屋の中で食べさせられる食事でなければ、これは2度と食べたくない。
しかも日本のグミよりも硬くて、噛んでも噛んでもなかなか細かくならないのだ。
口もまずいと認識しているので、積極的に噛んでくれない。
口の中にあるといつまでもまずくて涙が出てきそうだったので、飲み込んでしまった。
でも実はこれは体にはいいらしく、甘草というマメ科の多年草の根を粉末状にしたものからできているらしい。
フィンランドの子供はこれを喜んで食べるのだそうで、日本人はたいていまずいと感じるのだそうだ。
この味覚の違いよ。
ハーブが好きな人はこれも食べられるそうだが、私はハーブティーとか結構好きな方だけど、・・・これはダメだ。
はぁぁ・・・、びっくりした。
好奇心が強い自分を、今日ほど恨んだことはない。