静かな時間
夫が旅行先で風邪をひいたということで、少し早く帰ってくることになった。
私も前半、調子が悪かったので今になってようやく体調が落ち着き、ゆっくりと過ごしている。
先月、夫が旅行に行った時は私の具合がずっと悪くてせっかくの一人の時間を楽しむことができなかった。
残りの時間、特別なことはせず夫が会社に行っていたころの当たり前の生活を過ごす。
夫がいるとなんかうるさい。
別に夫自身がガチャガチャうるさいわけではないけど(むしろ無口)、存在がうるさいというか。
いるだけでうるさい。視界に入るだけでうるさい(なんというひどいことを;)
今まで、夫が働いてくれていて、その間私は家に一人でいたわけだけど、自分のやりたいように掃除したり、天気が良ければ布団を干したり、気が向けばお風呂の掃除を念入りにやったり、疲れたら少し寝たり……、そういうことが好きにできてたことが幸せだったなぁと思った。
別に夫がいたって今まで通りやればいいんだけど、そこにその人がいると“休む”ことを張り合ってしまうというか、もう変な意地が湧いてきて、9月に夫がいるようになってからなんとなくモヤモヤしてたのはこれかなと気づいた。
夫がいない静かな時間、プライムビデオで映画を何本も観た。
夫がいると時々話しかけられたり、物音で集中して観られないのだ。
元々映画を見るのは好きで、本当は大きいスクリーンで見たいけど、街へ出かけるにはそれなりに身ぎれいにしなくちゃならないし、車も運転しなくちゃならないし、面倒という気持ちの方が大きくてなかなか行かない。
読書もしたいけど、頭痛がいつ起きるかビクビクしていて、小さい文字を読みたくないので見送っている。
もうすぐ夫が帰ってくるかと思うと、この静かな時間がなくなってしまうんだと少し切ない。
嬉しいんだけど、この時間もなくしたくない、という矛盾した思い。
旅行にフラフラ行かれるのもイラつくけど、ずっと一緒にいるのも少々苦痛。
今はその対象が目の前にいないから、一人残りの時間をゆったり過ごす。