味わって食べる
私は外食をするのが好きだし、その機会も多かった。
なかなかその回数を減らせず、夫が会社を辞めてもたいして変わっていない気がして、このままではマズイなと思っているところだ。
独身の時は美味しいお店を探したり、新しいお店を開拓するのが楽しみでよく行っていたが、結婚して自分が食事を作るようになってからは、人が作ってくれる食事をありがたく感じるようになった。(母親の料理でも)
外食は自分が作らなくていいという楽なところもあるが、参考になる部分もあって味付けやバリエーションの勉強にもなる。
小食だけど、食べることは大好きな私にとって、食事というのは単にお腹を満たす行動ではない。
少し前に会社の先輩と懐石料理のお店へ食事に行った。
美味しいと聞いていたお店だったのでとても楽しみにしていた。
一品ずつ女将さんが見計らってお料理を持ってきてくれるのだが、ずっと喋りながら食べていたので正直味がよく分からなかった。
今思い出そうとしても、味が思い出せない。
私はまだ聞いている方が多かったのでまだいい方だが、先輩は本当にずっと喋っていたからほとんど味も分からなかっただろう。
喋りながら食べると味はよく分からない。
話す方に夢中になるから。
話す合間に適当に噛んで飲み込んでしまうから、味わう間がない。
本当は私は静かに食べたい。
だから夫と食事に行く時はぺちゃくちゃ喋らない。
ただ友達との飲み会や食事では喋らないわけにはいかないので、そういう時は味わうことを諦める。
口に入れて「あ、美味しい」と思えればそれでよしとする。
友達との時間も大事だからそこは割り切る。
先日一人でランチに行った時、お料理がどれも美味しくて、一人カウンターで感動しながら食べていた。
ゆっくり味わって食べる。
お店の人も分かっているのか、私がほぼ食べ終える頃に話しかけてきた。
さすがだ。
手間暇かけて作ってくれた料理は、やはりじっくり味わいたい。