いつもいる人
“行きつけ”と言うほどではないけど、時々行く喫茶店がある。
モーニングに行く時もあればランチで行く時もある。
そのお店でよく見かけるお客さんがいる。
こちらが行く時にはすでにいて、こちらが帰る時はまだいるので、来るところと帰るところを見たことがない。
趣味か仕事か分からないが、いつもパソコンにずっと向かっている。
私も行けば食事をして、雑誌1冊丸々読むくらいは滞在するからそこそこいると思うのだが、その人の滞在時間には敵わない。
毎日いるのか毎週いるのか謎なのだが、なんだかすごく優雅だなーと思ってしまうのだ。
マクドナルドとかなら座るところもあってコーヒーも安いだろうけど、喫茶店のコーヒーは1杯400〜500円するし、食事でもすれば1000円くらいにはなるだろう。
それを頻繁にできるのは余裕があるってことだと思う。いいねぇ。
私はもっぱら雑誌や持って行った本を読んで過ごすのだが、喫茶店やカフェというのは適度にざわついていて意外に集中できる場所だ。
図書館で読書をしようとすると、静かすぎて自分のお腹が鳴るのではないかとヒヤヒヤしたり、逆に他人の些細な音が気になったりする。
静かな方が集中できそうなものなのに不思議。
喫茶店やカフェは周りの人がそれぞれ話をしたり、本や雑誌を読んでいたりして自分には無関心で、多少音をたてたりお腹がなったりしても目立たない。
そういう風に、余分な神経を使わなくていい感じがちょうどいいのかも。
そのパソコンの人も居心地がよくていつもいるんだろう。
最近は「おー今日もいるいる」とその人を確認している自分がいる。
喫茶店にパソコン持っていって仕事だなんてちょっと憧れてしまうけど、私には無縁の話なので、心の中で「お先に」と言いながら席を立つ。